みなさん、こんにちは。
のりそらです。
私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、
教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
さて、今回は、不登校支援について考えていきたいと思います。
本日の内容:【教えてのりそら先生】教育機会確保法
題して「【教えてのりそら先生】教育機会確保法」といった内容でお届けします。
みなさん、”教育機会確保法”をご存知でしょうか?
制定されて結構時間が経つこの法律ですが、現場で働く頃には、私自身お恥ずかしながら認識がありませんでした。
主に不登校の児童生徒に関わる法律なのですが、学級に2名の不登校生徒を抱える担任という当事者でありながらそんな状況でした。
今考えると、情けなく思いますが、新しく施行された法律等をはじめ、文科省の通知などは回覧等で周知が図られる場合がほとんどで、その回覧とういのは左から右へ、右から左へスルー、といった状況です。
読んでいる余裕がないという理由で、認知していないというのが現実でした。
みなさんはいかがですか?
でも、やっぱり教師が知っておかなければならないことというのも確実にあって、今回取り上げる”教育機会確保法”は確実にその部類のものだと思います。
回覧は読む気はしない方でも、この機会を通してご認識いただけたらそれも良し、ということで今回取り上げさせていただきます。
今回のこのお話を聞くことで、不登校の児童生徒への指導のあり方や、適切な関わり方、国の方針、不登校の児童生徒の選択肢について考えていただくことができます。
子どもたちに関わる全ての先生方、フリースクール等民間で教育に携わっておられる方々、不登校のお子さんをおもちの保護者の方々、教育に関心の高い方に向けてお話をしていきます。
どうぞお付き合いください。
それでは、いってみましょう!!
疑問:教育機会確保法とは?
まず、”教育機会確保法”とは一体どういったものなのか整理していきます。
教育機会確保法とは、その急所をザックリ言うと、何らかの事情があって学校に登校できずに学校で勉強する機会を失ってしまった児童・生徒に対して、学校への登校を強制せず、それぞれにあった学習環境を保障するための法律と言えます。
いわゆる不登校の子どもたちについての法律とも言えます。
不登校は、大きな問題と認識されていたにも関わらず、現状に沿った対応策は施されていませんでした。
教育機会確保法の施行にともない、行政があらためて問題の大きさを認識し、「学校以外の場で、児童と生徒が学ぶことの重要性」と「学校を休ませる必要性」について取り組みを始めたことは、とても大きな意味があります。
もう少しだけ詳しくみます。
教育機会確保法の基本理念
教育機会確保法には5つの基本理念というものがありまして、その5つの基本理念というのが次の通りです。
1. 全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保
2. 不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援
3. 不登校児童生徒が安心して教育を受けられるよう、学校における環境の整備
4. 義務教育の段階の普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を尊重しつつ、年齢又は国籍等にかかわりなく、能力に応じた教育機会を確保するとともに、自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、教育水準を維持向上
5. 国、地方公共団体、民間団体等の密接な連携
出典:「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(概要)」文部科学省
不登校の現状
そもそも論として、不登校の児童生徒ってどれくらいいるの?というお話をさせていただきますね。
残念なことに、不登校の児童生徒は年々、増え続けています。
文部科学省の調査によれば、令和元年度の数字で小・中学校における不登校児童生徒数は181,272人(前年度164,528人)であり、前年度から16,744人(10.2%)増加しています。
過去5年間の傾向として,小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加しています。
さらに、7年連続で増加、約56%の不登校児童生徒が90日以上欠席しているなど、憂慮すべき状況としています。
児童生徒の休養の必要性を明示した「教育機会確保法」の趣旨の浸透の側面も考えられる、としています。
もう少しわかりやすく説明すると、数字のうえでは、いまや中学校のクラスに1人は不登校の生徒がいる計算になっています。
不登校は、特別な児童や生徒がおちいるものではなく、誰にでも起こりえるものだと言われる根拠を示しているような数値です。
ところが、不登校になった、もしくはなりそうな児童・生徒は「不登校はいけない」「不登校になった自分は、どこかおかしい」と、自分に責任がないにも関わらず、自身を追い詰めてしまいます。
保護者や教員も、児童・生徒の様子を見ていれば「学校を休ませたほうがいい」と理解できているはずです。
しかし、それぞれの立場や周囲からの視線のため、無理を押して学校に出ようとする児童・生徒に「休め」と言えません。
児童・生徒、そして保護者や教員の持つ「学校に通わなければならない」という思い込みが、学校を休むことで回復するはずの症状を悪化させ、結果として長期間、学習の機会を失う事態を生んでいます。
教育機会確保法:休養の必要性
教育機会確保法によって、そういった登校の呪縛から解放されることが期待されています。
この法律の第十三条では「不登校児童生徒の休養の必要性」が認められており、児童・生徒は学校を休んでも、自身を責めずに済むよう配慮がなされています。
また、保護者や教員も、無理に登校する児童や生徒に「学校のことは気にしないで、しばらく休もう」と言えるようになっています。
教育機会確保法:学校以外の居場所
児童や生徒に「学校を休んでもいい」と認めるなら、同時に「学校以外で学習のできる環境」を保障し、提供しなければなりません。
現状、公的な機関では教育支援センターが、民間の機関ではフリースクールが、学校以外で学習のできる環境に相当します。
当初の教育機会確保法は、フリースクールの位置付けを決めるところから始まり、「学校と連携し、義務教育を支援する場として認める」といった内容が盛り込まれていました。
しかし、学校の改革を優先したため、審議で削除されました。
学校での学習を最優先とし、不登校の児童・生徒には、学校に復帰してもらいたい行政(自治体)と、学校以外に児童・生徒が安心して学習できる場を提供したいフリースクールは、立場の違いから、意見の対立がしばしばありました。
しかし、教育機会確保法の成立により話し合いの枠組みが作られてからは、行政をはじめ関係組織による話し合いや試行錯誤が繰り返されています。
文部科学省の「フリースクール等に関する検討会議」では、「不登校児童生徒による学校以外の場での学習等に対する支援の充実~個々の児童生徒の状況に応じた環境づくり~」といった報告がまとめられています。
そこでは、教育委員会・学校とフリースクールなど民間の団体等との連携をより強くしていくことや、不登校の児童や生徒がそれぞれの状況に応じた支援を受けられるよう、経済的支援など具体的なサポートに取り組んでいくことなどが今後の課題とされています。
不登校の教育機会
教育機会確保法が制定されて後、徐々に不登校への理解が深まり、それと同時に、不登校児童生徒が将来、社会的に自立していけることを大切にする観点から、学校以外の教育の場での学習を尊重する動きが見られます。
一定の要件を満たし、校長先生の理解が得られれば、フリースクール等の民間の学習機会を利用しての学習を学校の出席扱いにできるようになっています。
積極的に民間団体との協力を行うようにも促されるようになっています。
提案:役割分担しませんか?
今回の話のまとめに提案です。
”役割分担しませんか?”
不登校の児童生徒への教育を、児童生徒の意見を尊重しながら適切に役割分担をしませんか?という提案です。
私は正直、担任をしていた頃、『学校に登校させなければ』とか『定期的に連絡をしないと』などとどこか義務感にかられていました。
冷静になって考えてみると、これって誰のためにもなっていないと感じています。
担任が関わった方がいい場合もあれば、他の人が関わったほうがいい場合もあると思います。
そこをキチンと役割分担することで、フリースクール等のモヤモヤも、担任のモヤモヤもスッキリするように思うのです。
立場を越えて、”その子の現状に適した環境”を尊重することで、誰のためにもならない働きがなくて済むと思うのです。
不登校の児童生徒への気にかけ方が漠然としたものでなく、きちんと整理され、了解されたものであれば、担任の負担は確実に減りますよね。
そして、フリースクール等も今よりもっと学校から尊重され、協力関係を築け、安定した運営が行えますよね。
学校、民間、利用者、三方良しです。
以上、今回の内容「【教えてのりそら先生】教育機会確保法」でした。
まとめ
さて、今回は、「【教えてのりそら先生】教育機会確保法」というお話をさせていただきました。
いいかがだったでしょうか?
不登校の児童生徒数は残念ながら増えています。
今後その数が減少していくことを望みますが、一方で、これまでの教育のあり方を見直すきっかけとすべきではないかとも思います。
不登校の理由は本当にさまざまですが、いずれの理由にせよ、現行の制度とのミスマッチに起因しているはずです。
だとしたら、この教育機会確保法でも言われているように、”全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保”をすることが何より重要で、それには実は大きな変革が必要となっているのかもしれません。
どんな学校だったら不登校を防ぐことができるのか?
はたまた学校の選択肢を広げることも”全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保”のためにはあって良いように思います。
みなさんはどう思われますか?
私のりそら、日本の、世界の学校の未来がより良いものとなるようこれからも発信していきます。
加えて、これまでのように先生方の日頃の頑張りを世の中に伝えていきたいと思います。
先生方は、どうか日本の子どもたちのために、目の前の子どもたちのために、真っ直ぐにエネルギーをお使いください。
私のできることはさせていただきます!!
のりそらからは以上です!!
もしこの記事がお役に立てたら下の2つのバナーを1日1回ポチッとクリックお願いいたします!!
それを活力に頑張ります↓↓
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
メルマガもやってます。
リンクを貼っておきます↓↓
そして、これ、便利です。疲れたらドラマでも観て一息つきましょう↓↓
コメント