みなさん、こんにちは。
のりそらです。

私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、

教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
今日も、世界の教育に目を向けてみたいと思います。
日本国内にしか目を向けていないと、その範囲で物事を考えるようになる、日本の常識に支配されるような気がしたためです。
そこで、少々世界の国の教育の様子にフォーカスしたいと思いました。
今回は、中国の教育について取り上げます。
中国の教育の印象ってありますか?
あまりイメージが湧きませんよね。
しかし、中国、経済ばかりではなく、教育も急上昇中なんです。
そこには、どんな秘密が眠っているのか?
そんな中国の教育を紐解いてみます。
では、早速いってみましょう!!
中国の教育の歴史
1980年代後半の教育改革
中国では、1980年代後半から経済発展を推進する人材育成を目的として、教育改革が行われました。
当時の中国は、小学校教育さえ未実施地域が散見される状況でした。
この状況を打開すべく、義務教育の国家レベルでの普及をプロジェクトの1つとして掲げ、2009年には全人口の99%が住む地域で実施されました。
「資質教育(中国語で「素質教育」)」
義務教育の普及後、教育の質向上に重点が置かれるようになり、政府は教育水準向上を図る基本方針「資質教育(中国語で「素質教育」)」を掲げました。
資質教育は、受験偏重な教育制度を見直すことが目的です。
子どもの創造性や主体性、実践能力などの養成を重視するものです。
資質教育への転換は、受験戦争を緩和する政策の1つとして今後も重視されていくと考えられています。
中国の教育の特徴
日本と同様6-3-3-4年制
中国の教育制度では、基本的には日本と同様の6-3-3-4年制が採用されています。
1986年に定められた義務教育法において、中国の義務教育課程は6歳からの9年間です。
初等教育は6年制の小学校、前期中等教育は3年制の初級中学校が担っています。
これらの9年間を合わせた義務教育のあと、
- 後期中等教育を実施する3年制の高級中学校
- 職業技術教育を実施する中等専門学校・技術労働者学校・職業中学
に進路が分岐します。
教育部が教育制度を統括
中国全体の教育制度は、教育部と呼ばれる中央政府機関が統括しています。
中国国内の経済的地域差が大きいことから、修学年限などは地方に裁量を委ねています。
特に農村部では、予算不足などの理由から小学校を5年制として、これに続く中学校を4年制とする5-4年制を採っている地域もあるようです。
激しい受験戦争
日本よりもさらに激しい受験戦争の文化があることも、中国教育の特徴のひとつです。
特に普通高等学校招生全国統一考試(いわゆる大学入試センター試験のようなもの)が実施される6月は、その激しさ故に、「黒色六月(暗黒の6月)」と呼ばれています。
1980年の一人っ子政策以後、家庭における教育投資の集中化が進んだことが1つの原因として考えられています。
教育の成果
最後に、数値で測れる教育の成果についてまとめました。
教育は数字で測れる部分が全てではないことは、ご理解いただけますよね。
よって、あくまで指標です。
今回は、「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」をその指標としました。
さらに、中国の教育を考える上で特徴的な教育系”ユニコーン企業”
社について紹介させていただきます。
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」
国立教育政策研究所のまとめた「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、中国の2009年以降の調査結果は以下の通りです。
年 | 対象地域 | 読解力 | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー |
2009年 | 上海 | 1位 | 1位 | 1位 |
2012年 | 上海 | 1位 | 1位 | 1位 |
2015年 | 北京・上海・江蘇・広東 | 27位 | 6位 | 10位 |
2018年 | 北京・上海・江蘇・広東 | 1位 | 1位 | 1位 |
2009・2012年・2018年の調査で上海は全ての項目で1位を獲得したことから、中国の教育制度が注目を集めました。
2015年の調査では、上海のほか3地域(北京・江蘇・広東)が調査対象に加わったことから、調査の順位は下がったと考えられます。
直近の2018年の調査結果では、再び全ての項目で1位を獲得しています。
普及が進むEdTech、教育系のユニコーン5社
教育に多大な金額をかけている中国には、ITを活用した教育サービスを提供する企業が多く存在します。
多数の人口と高い教育熱、広い国土などを背景にテクノロジーを活用した教育サービスを提供する企業の中には、評価額1,000億円(10億ドル)を超える未上場の企業、いわゆるユニコーン企業も現れています。
ここでは、その中国の教育領域のユニコーン企業を5社紹介します。
VIPKID
VIPKIDは2013年に創業した、オンライン教育プラットフォームを提供する企業です。
VIPKIDは、5~12歳までを対象としたマンツーマン英語教育を提供しています。
2019年現在50万人以上の学生が利用しており、65,000人以上の北米のネイティブ英語教師が授業を行っています。
生徒は学校からの帰宅後、パソコンもしくはタブレット端末でログインし、5分間の予習用ビデオを視聴してから1回25分の授業を受けます。
授業後、教師は保護者に授業内容や生徒の習熟度合いなどといった情報を送り、保護者と情報共有を行うことができます。
iTutorGroup
iTutorGroupは1998年に創設し、多様な分野のオンラインコースをグローバルに展開する企業です。
対象をジュニア~成人としており、英語・中国語・数学・コーディングなど様々なコースを提供しています。
2019年1月時点で、3万人以上の講師が在籍しており、年間で3,000万回以上のレッスンが行われています。これまでのレッスン提供数は1億8千万回を超え、135の国・地域で展開されています。
日本でもiTutorGroupの日本法人「VIPABC株式会社」が設置され、2016年からオンライン英会話サービスを展開しています。
Beijing Zhenguanyu Technology(北京貞観雨科技)
Beijing Zhenguanyu Technologyは、2012年に設立された、幼稚園年長~高校卒業までの学習をサポートする様々なオンラインサービスを提供しています。
現在主力事業となっているのは、マンツーマンのチュータリングサービス「Yuanfudao(猿輔導)」です。
「Yuanfudao(猿輔導)」は、
- 総合クラス
- 科目別クラス
- マンツーマンオンライン指導
- 小学生英語
- 国際数学オリンピック対策
- 中高の全科目
等、多様な機能で生徒のニーズに応えています。
1人ひとりの学習状況を把握して生徒の学習データを分析し、適切な課題をAIが提示し効率よく学習ができるシステムを構築しています。
2016年時点でオンラインコースは1万6,741コース、受講者は計2,148万人を超えています。
Zuoyebang(作業帮)
作業帮は、2014年に中国のインターネット検索サービス「百度(バイドゥ)」によって設立された、小中高生向けのオンライン学習サイトを運営する企業です。
宿題管理サービスと宿題の解答検索サービスを提供しています。
問題を写真に撮って投稿すると解答が得られる機能や、宿題の評価を受けることができる機能などがあり、この2つのサービスは中国全土の約38万の小中学校で利用されています。
このユーザーとデータを活用し、オンライン講義サービスなども展開しています。
17ZUOYE(一起作業)
一起作業は2013年に設立され、教師・生徒・保護者の3者を結ぶ対話型の教育プラットフォームを提供しています。
パソコン・スマホ等で、英語や中国語の文章朗読や算数のクイズへの解答などを行うと自分のキャラクターが成長することで学習を促進します。
生徒は、学習状況の確認やフィードバックなどを受けることができます。
教師は、生徒の学習状況の確認のほか、クラスへのテスト・宿題の配布、保護者への学習記録の作成・送付などを行うことができます。
保護者は生徒と教師の双方と、学習進捗を見ながら円滑なコミュニケーションをとることができます。
まとめ
最後に中国の教育についてまとめます。
- 中国の教育制度は基本日本と同様の6-3-3-4年制
- 全国統一的な教育制度ではあるが、都市部と農村部の教育格差が根強い
- 教育への投資意識が高く、受験戦争は日本よりも激しい
- テクノロジーを活用した教育サービスを提供するユニコーン企業も現れている
保護者や企業の教育への投資意識が強いことが、中国の教育が高い水準にある1つの要因であるといえるでしょう。
中国のここぞという集中投下力はさまざまな分野で目を見張る成果に結びついていますね。
エネルギーに満ちています。
参考にしたいです。
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今後とも、中国の教育からは目が離せません!!
のりそらからは以上です!!
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