みなさん、こんにちは。
のりそらです。
私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、
教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
今日も、世界の教育に目を向けてみたいと思います。
日本国内にしか目を向けていないと、その範囲で物事を考えるようになる、日本の常識に支配されるような気がしたためです。
そこで、少々世界の国の教育の様子にフォーカスしたいと思いました。
さて、
『【発表!!】教育制度充実国ランキング』
と称して、ある指標で教育制度の充実度、幸福度を見ていき、そのランキングトップ10 を発表しました。
参考にしたのは、米CEO World誌の「世界最高の教育制度ランキング」とユニセフの「Report Card 16」です。
まだそちらをご覧になっていない方は、先にそちらをご覧いただけると良いかと思います↓↓
今回は、上の記事のうち、教育制度で第8位にランクインした”カナダ”の教育の特徴についてお話しさせていただきたいと思います。
カナダは留学先として人気な印象です。
一方、カナダの教育の印象ってありますか?
私は知らないことばかりでした。
そんなカナダの教育について、です。
では、早速いってみましょう!!
カナダの教育の歴史
州統一カリキュラム
カナダの義務教育制度は、20世紀終わりごろに初めて導入されました。
当時のカナダ憲法の下、教育実施の権限が各州に与えられました。
1990年代後半に、多くの州で州統一カリキュラムを制定する傾向が強まりました。
例えば、1997年、理科に関し「幼稚園から第12学年までの科学の学習成果に関する共通フレームワーク」が策定されました。
これによって、カナダ国内でのカリキュラムの共通性が高まりました。
大西洋諸州教育財団(APEF)
また、大西洋諸州教育財団(APEF)が、ノヴァスコシア州やニューブランズウィック州等の4州で結ばれました。
APEFは、カリキュラムの共通の枠組み「学校での学習修了要件のための大西洋カナダ枠組み」を策定しています。
2000年以後は各州で教育制度におけるカリキュラム、管理、資金の再評価や改正を継続的に行っています。
カナダの教育の特徴
州ごとに異なる教育制度
カナダの教育制度は、各州の裁量で決められています。
連邦政府に教育省はなく、全国的に統合された教育制度もありません。
代わりに、各州に教育を担当する省庁が設置されています。
10の州と3つの準州がそれぞれ裁量を持ち、教育法を定めています。
授業料無料
カナダの義務教育期間は6~16歳です。
日本の教育課程は6-3-3-4制ですが、カナダは州によって8-4制、5-3-4制、6-3-3制、7-5制などさまざまです。
カナダの公立学校の義務教育は無償で提供されます。
義務教育課程は、初等教育と中等教育に2分されます。
初等教育は、就学前教育(幼稚園)~6年生(州によっては8)までです。
中等教育は、7年生~12年生(州によっては始まりが5年生、終わりが13年生の場合もあり)までです。
英語・フランス語の2言語性
カナダの教育カリキュラムには、第1言語・第2言語(英語・フランス語)・算数・理科・社会・美術・体育などの科目があります。
カナダは多民族国家であり、英語・フランス語の両言語を話せない子どもも少なくありません。
両言語を話せない子どもたちのために、ESL(English as a Second Language)という授業を設けている学校も多いようです。
※カナダのケベック州では、1977年より法律で義務教育は原則フランス語で行うことが定められています。
カナダの学校のカリキュラムには教える内容のみが定められており、教える方法は教員に委ねられています。
初等教育では特別進級制度(飛び級)が採用されています。
また、ホームスクーリングやオンライン学校などでも義務教育を受けることができます。
高等教育は、大学もしくはカレッジで提供されます。
カナダでは、大学入試に日本のような試験はありません。
学校の定期テストの結果と成績の総合評価で進路が決まります。
大学には、以下の3種類があります。
- 学部大学:教養科目を学ぶ、学士課程のみの大学
- 総合大学:学部と大学院を併設した大学
- 博士大学:専門分野の研究に注力している、スペシャリストを養成するための大学
カレッジには、以下の2種類があります。
- コミュニティカレッジ:職業訓練を提供する2年制の教育機関
- ユニバーシティカレッジ:職業訓練と特定分野の3・4年次の科目も提供している、学士取得可能なカレッジ
カナダの教育の成果
最後に、数値で測れる教育の成果についてまとめました。
教育は数字で測れる部分が全てではないことは、ご理解いただけますよね。
よって、あくまで指標です。
今回は、「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」、「算数・数学及び理科の到達度に関する国際的な調査(TIMSS)」、文部科学省『「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について』をその指標としました。
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」
国立教育政策研究所の「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、カナダのPISA調査の結果は以下の通りです。
年 | 読解力 | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー | |||
全参加国中 | OECD加盟国中 | 全参加国中 | OECD加盟国中 | 全参加国中 | OECD加盟国中 | |
2000年 | 2位 | 2位 | – | – | – | – |
2003年 | 3位 | 3位 | 7位 | 5位 | – | – |
2006年 | 4位 | 3位 | 7位 | 5位 | 3位 | 2位 |
2009年 | 6位 | 3位 | 10位 | 5位 | 8位 | 5位 |
2012年 | 9位 | 5位 | 13位 | 7位 | 10位 | 6位 |
2015年 | 3位 | 1位 | 10位 | 5位 | 7位 | 4位 |
2018年 | 6位 | 2位 | 12位 | 7位 | 8位 | 5位 |
カナダは、毎調査で高い成績を残しています。
OECD加盟国のみの順位で見ると、常にトップ10を維持しています。
直近の2018年調査では、読解力6位、数学的リテラシー12位、科学的リテラシー8位でした。
「算数・数学及び理科の到達度に関する国際的な調査(TIMSS)」
国立教育政策研究所の「算数・数学及び理科の到達度に関する国際的な調査(TIMSS)」によると、カナダの調査結果は以下の通りです。
年 | 算数・数学 | 理科 | ||
小学校 | 中学校 | 小学校 | 中学校 | |
1995年 | 13位 | 18位 | 9位 | 19位 |
1999年 | – | 10位 | – | 14位 |
2015年 | 29位 | 8位 | 23位 | 13位 |
※カナダでは2003年・2000年・2011年は調査が行われていません。
2015年調査では、カナダは中学校の順位が高く、数学は8位、理科は13位でした。
文部科学省の『「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について』
文部科学省の『「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について』によると、日本人学生の留学状況は以下の表の通りです。
国・地域 | 留学生数 | 前年度比増減 | ||
2017年度 | 2016年度 | 人数 | 増減率 | |
アメリカ | 19,527 | 20,214 | -687 | -3.4% |
オーストラリア | 9,879 | 9,485 | +394 | +4.2% |
カナダ | 9,440 | 8,908 | +532 | +6.0% |
中国 | 7,144 | 5,787 | +1,357 | +23.4% |
韓国 | 7,006 | 6,489 | +517 | +8.0% |
2017年度の調査結果において、日本人学生が留学先として選ぶ国・地域でアメリカ、オーストラリアに次いでカナダは第3位です。
- 国際的な学力調査で好成績を残していること
- インターンやボランティアが一般化していること
- 自然豊かで学ぶだけでなく観光も楽しめること
などの理由から、カナダを留学先に選ぶ人が多いと考えられます。
まとめ
最後にカナダの教育についてまとめます。
- カナダの教育制度は各州の裁量で決められる
- カナダの公立学校の義務教育課程は無償
- 原則英語とフランス語の2言語制
- PISAやTIMSSといった国際的な学力調査で好成績を残している
現在、カナダでは授業でのインターネット活用が各州で積極的に進められています。
マイクロソフトやアマゾンといった大手IT企業のあるカナダでは、今後教育へのIT技術が投入されていくと考えられます。
私も、学校づくりで大いに参考にさせてもらっています。
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今後とも、カナダの教育からは目が離せません!!
のりそらからは以上です!!
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本当に最後に‥
カナダの教育と同じくらいこれでドラマを見ることにハマっています(汗)
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