みなさん、こんにちは。
のりそらです。

私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、

教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
今日も、世界の教育に目を向けてみたいと思います。
日本国内にしか目を向けていないと、その範囲で物事を考えるようになる、日本の常識に支配されるような気がしたためです。
そこで、少々世界の国の教育の様子にフォーカスしたいと思いました。
さて、
『【発表!!】教育制度充実国ランキング』
と称して、ある指標で教育制度の充実度、幸福度を見ていき、そのランキングトップ10 を発表しました。
参考にしたのは、米CEO World誌の「世界最高の教育制度ランキング」とユニセフの「Report Card 16」です。
まだそちらをご覧になっていない方は、先にそちらをご覧いただけると良いかと思います↓↓
今回は、上の記事のうち、教育制度で第5位、幸福度ランキングで第10位とダブルでランクインした”スウェーデン”の教育の特徴についてお話しさせていただきたいと思います。
スウェーデンってフィンランドの教育に隠れてしまっている印象です。
スウェーデンの教育の印象ってありますか?
IKEAを連想しますよね。
私は知らないことばかりでした。
そんなスウェーデンの教育について、です。
では、早速いってみましょう!!
スウェーデンの教育の歴史
競争原理

1990年代にスウェーデンで教育改革が起こり、教育現場に”競争原理”が導入されました。
競争原理とは、経済学の市場原理で用いられる言葉で
「サービス提供者が品質や価格などの要素で競い合い、顧客を奪い合う」
という意味です。
教育現場における、サービス提供者は学校や教員などを指し、顧客は生徒やその保護者を意味します。
地方自治体や学校・教員の間で競争が発生し、教育の質の高さがかなり要求されるようになりました。
教育の裁量が地方自治体に委ねられたことから、自治体間の経済的格差が教育サービスの質の差につながったと考えられています。
また、生徒と保護者には学校を選択する権利があり、人気の高い学校に児童が集まりやすい環境が出来上がりました。
この競争の発生が、後述するPISAにおける学力低下の原因の1つに考えられます。
スウェーデンの教育の特徴
スウェーデンの教育制度は、基礎学校9年・高校3年・大学3年の教育課程です。
義務教育は、7~16歳の9年間、基礎学校(日本における小中学校)で行われます。
授業料無償、質の高い教師

スウェーデンの学校は、基礎学校・高校・大学の授業料が無償です。
奨学金制度など学生を支援する制度が充実しており、高校卒業後に就職してから大学で学び直す学生も少なくないようです。
「文部科学省 諸外国の教員給与 スウェーデン」によると、スウェーデンでは教員採用に当たって、教育学学位の保有とスウェーデン語の語学能力が採用要件とされています。
これは教員の質を保つことを目的として、設定されているようです。
進学時の入試がない
高校では、生徒が興味のある分野やなりたい職業に合わせてコースを選択します。
高校に入学するための試験はなく、倍率が高い場合は基礎学校の成績によって合否が決定されます。
大学でも入学試験はなく、高校の成績とカリキュラム終了後に受験する試験によって合否が決定されます。
休日が多い

スウェーデンの学校は、休みが多いのも特徴です。
- 夏休み:6月上旬~8月中旬
- 冬休み:3週間
- 秋休み:1週間
- イースター休み:4月上旬の1週間
- スポーツ休み:2月下旬1週間
学校は2学期制で8月に学校が始まり、これら5種類の休みがあります。
教育の成果

最後に、数値で測れる教育の成果についてまとめました。
教育は数字で測れる部分が全てではないことは、ご理解いただけますよね。
よって、あくまで指標です。
今回は、「World Happiness Report 2019」(世界幸福度調査)、民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)の「Voter Turnout Trends around the World」、「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」、米CEO World誌の「世界最高の教育制度ランキング」をその指標としました。
「World Happiness Report 2019」(世界幸福度調査)

国連の実施する「World Happiness Report 2019」(世界幸福度調査)で、スウェーデンは2017年に10位、2018年に9位、2019年に7位です。
徐々に順位を上げており、3年連続でトップ10に入っています。
このランキングは、
「自分にとって最良の人生から最悪の人生の間を10段階に分けたとき、いま自分はどこに立っていると感じるか」
という質問への回答の数値で順位付けしたものです。
国連の考える幸福度の指標は、一人当たりGDP・社会的支援・健康寿命・人生の選択の自由度・社会的寛容さ・社会の腐敗度の6つと、全項目を最低とした架空の国(ディストピア)との比較とされています。
この指標は、国連がランキングを説明づけるために用いているものです。
※ランキングは、先述した質問に回答された数値の平均値のみで決定していることに注意が必要です。
北欧諸国は税金が高く社会保障に多く分配されており、質の高い福祉・教育を提供していることから、世界幸福度ランキングの上位を占めていると考えられます。
投票率約86%
民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)の「Voter Turnout Trends around the World」によると、スウェーデンの投票率は85.81%です(2014年)。
この調査は2016年時点での投票率でランキングされており、スウェーデンは世界196か国中26位でした。
スウェーデンは特に若者の政治意識が高いことで知られています。
各政党の特徴などについての講義や、政党議員が全国の高校を訪問する活動などが盛んに行われています。
議員と生徒の意見交換や青年部への勧誘活動が行われており、これが政治への関心の高さに繋がっていると考えられます。
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」

国立教育政策研究所の「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、スウェーデンのPISA調査結果は以下の通りです。
年 | 読解力 | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー |
2000年 | 9位 | 15位 | 10位 |
2003年 | 8位 | 17位 | 15位 |
2006年 | 10位 | 21位 | 22位 |
2009年 | 19位 | 26位 | 29位 |
2012年 | 36位 | 38位 | 38位 |
2015年 | 17位 | 24位 | 27位 |
2018年 | 11位 | 17位 | 19位 |
PISA調査が開始された2000年は「読解力」「科学的リテラシー」の2項目で10位以内に入っています。
2003年以降は成績が低迷していき、2012年には全ての項目で40位台となりました。
2015年以降順位は徐々に上がり、直近の2018年の調査では20位以内に全ての項目が入っています。
米CEO World誌の「世界最高の教育制度ランキング」
繰り返しになりますが、こちらは、堂々の第5位にランクインです!!
まとめ

最後にスウェーデンの教育についてまとめます。
- スウェーデンの教育課程は基礎学校9年・高校3年・大学3年
- スウェーデンでは教育現場に競争原理が導入されている
- スウェーデンは幸福度や投票率等のランキングで上位
スウェーデンは、PISA等のランキングを見ると、それほど教育水準が高いとは言えません。
一方で、幸福度や投票率は常に高い水準にあります
これは税金の多くが福祉や教育分野に使用され、社会への関心や自由な職業選択等に結びついていることが要因の1つに考えられます。
私も、学校づくりで大いに参考にさせてもらっています。
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今後とも、スウェーデンの教育からは目が離せません!!
のりそらからは以上です!!
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