みなさん、こんにちは。
のりそらです。
私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、
教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
さて、それでは『教師インターン』第7講目やっていきたいと思います。
前回は、『義務教育の学校種の違い』ということでみなさんがこれからいずれかに勤務されることになるそれぞれの校種の違い、特徴について、実際の経験をもとにお話をさせていただきました。
そして、今回ですが、教師の日常の1コマを切り取って、その在り方についてお話をさせていただきます。
実際には、1コマどころではなく、何コマも何コマもある事象で何なら日常と言って良いでしょう。
それは、『褒めると叱る』この行為についてお話をさせていただきます。
教師という仕事において一番大切なものは、児童生徒との関係づくりです。
これを無くしては、子どもたちを成長させることはできないし、成長させることができない教師は、その存在意義について考えざるを得ません。
これまでの生活で友達や家族を相手に褒めたり、叱ったり?はあまりないかな?んー、怒ったりしたことはあっても、自分よりのかなり年下の子どもを褒めたり、叱ったりする経験はなかなかあるものではありません。
しかし、実際に明日からそれを子ども相手にしなければなりません。
そして、そのあり方次第では、子どもとの関係を著しく悪くし、その後の生活において大きな不都合を生じさせてしまう可能性があります。
よって、この内容を扱うことに決めました。
これもなかなか他では学べない内容ではないでしょうか?
『褒めると叱る』については、何となく自分の弱さを露呈する感じで聞きづらいというのもあります。
またもし仮に先生方に尋ねるとすると、『褒めると叱る』という行為は極めて感覚的なものであるとしてイマイチ掴みどころがない返答が返ってくることが多いです。
しかし、ここはあえてポイントやノウハウとして言語化してお伝えできる面もありそうだな、と感じたので、今回取り扱うことにしました。というわけで、第7講目の今回の内容は、
本日の内容:【教師インターン第7講】子どもの褒め方、叱り方
『子どもの褒め方、叱り方』という内容でお話ししていきたいと思います。
同様の内容を動画でもご覧いただけます↓↓
本題に入る前に、一つご紹介したいお話があります。
『偉大な教師とは?』と聞かれたら、どんな教師を思い浮かべますか?
”いい教師”とかを通り越して、”偉大”ですからね、そんな風に言われるようになりたいですよね。
アメリカの教育者に、ウィリアム・アーサー・ウォードという方がいました。
いましたというのは、もう亡くなってしまっているんですね。
その方がこんな言葉を残しています。
普通の教師は、言わなければならないことを喋る。良い教師は、わかりやすいように解説する。優れた教師は、自らやってみせる。そして、本当に偉大な教師というのは、生徒の心に火をつける。
どんな風にお感じになられましたか?
”生徒の心に火をつける”誤解を恐れずに言わせてもらえば、初任の先生は一番最初の”普通の教師”つまり言わなければならないことを喋る、これをするのに精一杯、いやこれをするのにも精一杯という状況だと思います。
授業で、教えなければならないことを喋る、子どもたちに伝えなければならない連絡事項を喋る、そして、突然注意しなければいけないことを喋らなくてはいけなくなる。
これが叱るという状態ですね。
でも、これまでずっと行動が”喋る”でした。
”喋る”という言葉には、どこか一方通行な印象がありませんか?
そう、最初のうちは、いっぱいいっぱいで相手のことを思って話すことがなかなかできないのです。
だから、当然伝わらない。
これでは普通の教師以下かもしれません。
しかし、この講義を受講してくださっているやる気のある先生方には、”偉大な教師”になっていただきたい。
そうあるためには、どうあるべきかということについて一緒に考えていきましょう。
褒める
まずは、『褒める』ということについて考えていきましょう。
褒めるという行為は、決して人が嫌がることではありません。
それだけに、簡単です。
簡単であるがゆえに、あまり問題意識をもたれることもありません。
『子どもを褒めることがなかなかできなくて・・』という声、保護者やベテランの先生から聞くことはありますが、若い先生方からこのような話を聞いたことはありません。
だから、大丈夫!とは片付けません。
なぜなら、私たちは”偉大な教師”になるからです。
”生徒の心に火をつける”褒めの在り方について考える必要があります。
そもそも”生徒の心に火がつく”という状況は、どういう状況でしょうか?
”心に火がつく”、端的に言えば、
”やる気になる”ということでしょう。
もう少し踏み込むと、”自発的に”というニュアンスが加わるように思います。
自発的にやる気になるような『褒め方』とは?と考えてみましょう。
子どもに限らず、人を褒めたり、励ましたりする上で、大切なポイントが3つあります。
合言葉のように覚えちゃいましょう。
ポイント:『いつ』『何を』『どんな言葉で』
それが、『いつ』『何を』『どんな言葉で』です。
もう一度言います。
『いつ』『何を』『どんな言葉で』です。
それでは、一つひとつ見ていきましょう。
褒め方① 『いつ』
まずは、『いつ』についてです。
人を褒めたり、励ましたりする時に、相手の心に言葉を響かせる上で欠かせないのは『いつ』にあたるタイミングです。
同じ言葉を使っても、相手の状況次第では、その言葉がすごく相手に響いたり、そうでなかったりしますよね。
相手が今、どんな状況にあって、それを踏まえてどんな言葉をかけるかが非常に重要になります。
例えば、児童がトイレ掃除でトイレがすっごく汚れていたけど、キレイにしましたよとわざわざ報告しに来たとします。
子どもとしては、褒めてほしくて話をしています。
にもかかわらず、『ちょっと待って、今忙しいから』と言われてしまったら、子どもはどんな気持ちになるでしょう?
そして、手が空いた時に、『すごい。よく頑張りました。』と褒めたとしましょう。
もう完全にこの状況では、お子さんは褒めてもらっても嬉しいと思える状況にはありません。
こういった状況が続いたら、子どもが掃除を頑張る意欲は次第に低下していくのではないでしょうか。
『いつ』のタイミングを逃してしまったら、子どもに火をつけるどころか火を消してしまうことになりかねません。
先程の状況で言ったら、子どもが報告に来た段階がまさに『いつ』のタイミングで、そのタイミングで手を止めて、トイレまで見に行き、思い切り褒めてあげるべきだったでしょう。
すると、子どもはとても満足してまた次も掃除をがんばろう!という気持ちになっていたでしょうね。
『タイミング』が違うだけで、180度違う結果が生まれてしまう事がお分かりいただけたでしょうか?
ちょっと恐ろしさもありますよね。
それだけ『いつ』つまりタイミングというのは、褒める上で重要なのです。
褒め方② 『何を』
続いてのポイントは、『何を』についてです。
適切なタイミングで、何について褒めるのか、これが2つ目のポイントです。
不思議なもので、人にはそれぞれ褒められると嬉しいポイントってありませんか?
逆に、褒めてもらっているのにあまり嬉しくないなんてこともありますよね。
では、一体、人はどんなことを褒めると嬉しく思うのか?
次の2点に集約できるのではないかと思います。
- 自分が意識して努力をしていること
- 自分がその事に高い価値を置いていること
です。
これらについて褒められると、人は嬉しいと感じませんか?
そして、これらはなぜ褒めるに値するのか?
それは、その人が高く意識をしている分、他の人よりもそれについての努力の様子が見えたり、成果として現れていたりするからだと思います。
しかし、努力や成果の見えたこのタイミングは誰もが褒めやすいタイミングと言えます。
それでは遅すぎます。
結果ではなく過程で褒めてあげて、成長を後押ししてあげたくないですか?
そのためには、その子が何を頑張りたいと思っているのか?
どのように努力をしているのか?
そういったことを感じ取っていなければなりません。
感じ取るためには、”よく見ていること”が大切です。
よく見ていることで『何を』は必ず見えてきます。
例えば、それが努力に行き詰まりそうな時にこれまでの努力を見てきて、感心していたという話をしたとしましょう。
そこで努力を褒めてもらったら、認めてもらえたら、見ててもらえたんだと知ったら、消えかけていた火に再び灯りが燈りますよね。
褒め方③ 『どんな言葉で』
そして、最後、ポイントの3つ目は、『どんな言葉で』です。
褒めるための手段は『言葉』です。
ですから、この『言葉』こそが大事なんだろうと考えがちですが、先ほどまでの『いつ』『何を』がちゃんと捉えられていれば、『どんな言葉』かはさほど重要でない気さえします。
というよりは、『言葉』は自然とついてくるものだと思います。
これまでを見てきて思った言葉、その言葉こそが、相手に喜んでもらえる言葉です。
だから最後の『どんな言葉で』は、『いつ』と『何を』の合わせ技により決まります。
そうじゃないですか?「天才!!」と言われて嬉しい時もあれば、馬鹿にしてるの?と思うことさえあります。
言葉単体には、人の心を動かすことは難しいものがあります。
褒められた言葉そのものから嬉しさが来るのではなく、褒められた事象がやはり嬉しさには大事ではないでしょうか?
大事ですよね。
番外編:『誰が』
合言葉には入れていませんが、番外編として、『誰が』もかなり大事だというお話をさせてください。
これも共感いただけるのではないでしょうか?
誰から褒められるか?
ちょっと意外な人からの褒めって妙に嬉しい傾向にありますよね。
例えば、いつも厳しくてあまり褒めてはくれない人に褒められると妙に嬉しくないですか?
自分の事をあまり知らない人に褒められるのもタイミングによっては嬉しかったりもします。
そして、やや計画的な感じがしますが、第三者伝いの褒め、これは本当に効果的面です。
『お母さんが○○君のことをあの時すごく褒めてたよ』といった感じです。
認めてもらいたい相手から褒められると、嬉しいものですよね。
褒めるまとめ
さて、ここまでは、『褒める』ということについてお話ししてきました。
『「いつ、何を、どんな言葉で」子どもがやる気になる褒め方の合言葉』とともに、そのあるべき姿を見てきました。
私自身、教員になりたての時は、褒める方が叱るよりも断然簡単に思いました。
今、振り返った時に、その頃の褒めは、生徒のエネルギーになる褒めだったのか、すごく疑問に思います。
褒める力が強い人は、叱って人を導く人よりも大きなエネルギーでもって子どもたちを引っ張っれているような気がします。
どちらがプラスのエネルギーかと言われれば、それは褒めて人を伸ばすことでしょう。
褒めることで子どもたちの心に火をつけることができます。
そして、そうしてつけられた火はなかなか消えないほど屈強なものであることさえあります。
あれこれ話をしましたが、まとめると、やはり”相手のことをよく見ている”ことこそが、効果的な褒めの鍵となるのではないでしょうか?
たくさんの愛をもって子どもたちを見守っていきたいですね。
叱る
さて、後半です。
続いては、『叱る』ということについて考えていきましょう。
実は、今回の講義を計画したのは、自身の経験の中で初任時を振り返り、難しさを覚えたものとして深く記憶に刻まれているのが『叱る』という行為だったからです。
おそらく、多くの方がこの『叱る』には最初すごく苦労するのではないでしょうか?
私は、実際に現場に出るまで、『叱り方』について学ぶ機会がありませんでした。
そのため、おそらく生徒たちを目の前に戸惑う姿も見せていたでしょう。
しかし、ある日のある先生のこんなアドバイスによって私にとって『叱る』が開けました。
みなさんには、こうして事前にお伝えできるので、もし、私のように、『なるほど、そういうことね!』と思っていただける方がいると嬉しいです。
では、その言葉とは?
『お前、喧嘩したことないの?それと一緒だよ』というものでした。
要するにの説明を補足する必要がありますね。
要するに、生徒も教師も同じ人間であると。
頭にきたら、怒ればいい、遠慮なんかいらないよ、ということでした。
私は、この話をしてもらってから、吹っ切れました。
生徒にとって耳の痛い話をすれば、生徒はあからさまに嫌な顔をすることもあるし、陰でごちゃごちゃ言われる、そういうのが嫌でどこか遠慮をしていたんだと思います。
逃げ腰だったんだと思います。
ところが、その話を聞いて以来、自分の感覚で思うままに叱ってみました。
いや、”叱る”ではなく、きっと”怒る”だったことでしょう。
すると、次第に生徒の反応が気にならなくなっている自分がいることに気がつきました。
きっと、自信が出てきたのでしょう。
だから、生徒にもこれまでよりも、響くようになっていったのかもしれません。
そんな経験があったもので、これは、ぜひこれから教壇に立たれる方に早めにお話ししておきたいと思いました。
先ほどから、”叱る”と”怒る”という言葉を使い分けているのは気がついておられましたよね。
そう、”叱る”は教え導くためのもので、”怒る”は感情的なもの。
教師は、子どもを必要に応じて叱らなくてはなりません。
では、”褒める”と同じように、”叱る”もポイントをまとめていきます。
叱り方① 『いつ』
まず最初のポイントは、『いつ』です。
これに関して言えば、”その場で、すぐに”です。
叱る場合には、後手になってはいけません。
あの時ああだった、こうだったと叱られても効果がありません。
よくない言動があったその場ですぐに叱るのが鉄則です。
そうすれば、叱られている方も何がマズかったのかが分かります。
分かるように叱らなければ意味がありませんよね。
意味のあるよう、学びのあるよう叱ってあげましょう。
叱り方② 『何を』
続いてのポイントは、『何を』についてです。
何をについては、その”言動”をです。
よく叱り文句としてあるのですが、『先生が叱っているのはその言動に対してであって、決してあなたのことが憎いから叱っているのではない』というものです。
その通りですよね。
嫌いで叱っているのではないんです。
その行為が良くないと言っているのです。
だから、『どうでもいいと思っていたら、叱らない』というこれまた叱り文句もその通りですよね。
よく私は、年度の初めに子どもたちに全体の場で話します。
『悪いことがあったら、叱ります。けど、みんなのことが憎くて叱るのではなく、その行為がよくないから叱るのです。その時は、安心して叱られなさい。そして、行動を変えなさい』と。
ストレートにこう宣言しておくと、子どもたちはきちんと受け入れてくれますよ。
伝えることを怠らないことも誤解を生まないためには大切なことです。
叱り方③ 『どんな言葉で』
そして、最後、ポイントの3つ目は、『どんな言葉で』です。
叱るための手段は『言葉』です。
ですから、この『言葉』こそが大事なんだろうと考えがちですが、先ほどまでの『いつ』『何を』がちゃんと捉えられていれば、『どんな言葉』かはさほど重要でない気さえします。
というよりは、『言葉』は自然とついてくるものだと思います。
これまでを見てきて思った言葉、その言葉こそが、相手に伝わる言葉です。
だから最後の『どんな言葉で』は、『いつ』と『何を』の合わせ技により決まります。強いていうならば、『ガッカリした』というニュアンスの言葉も子どもたちには響くということですかね。
信じていたのに、といった言葉は、なかなかのパワーワードです。
悪いところばかりを指摘するのではなく、あなたにはこんないいところがあるんだから、という風に前向きな言葉をかけることも大切ですね。
番外編:『誰が』
叱るの場合も番外編として、『誰が』を取り上げます。
これも共感いただけるのではないでしょうか?
誰から叱られるか?
自分に期待してくれている人に叱られるのは何より堪えますよね。
期待を裏切ってしまったような気になってしまいますもんね。
できれば期待は裏切りたくないものです。
非常に厳しい先生からのお叱りもやっぱり堪えますよね。
普段温厚な方を叱らせてしまった場合にも堪えますよね。
この人の言うことは素直に聞けるんだよな、って言うものがやはり子どもたちにはあると思います。
その鍵は、”信頼関係”です。
”信頼関係”がある状態での叱りは、本当に効果があります。
”信頼関係”については、褒める際にも重要ですよね。
叱るまとめ
さて、ここまでは、『叱る』ということについてお話ししてきました。
実は、褒める時も、叱る時も、ポイントは、『いつ』『何を』『どんな言葉で』と同じだったことにお気づきでしょうか?
そう、ポイントは同じなのです。
褒めたり、叱ったりする目的も、”子どもたちを成長させるため”と同じです。
決して、言うことを聞かせるためと言ったような教師自身のためではないのです。
冒頭の話にありました。
普通の教師は、言わなければならないことを喋るだけなんです。
それでは、子どもに伝わりません。
目指すは、”生徒の心に火をつける””偉大な教師”です!
まとめ
さて、第7講目の今回は、『【教師インターン第7講】子どもの褒め方、叱り方』という内容でお話させていただきました。
実際に現場に出ると、すぐに必要となるものなのに、教えてもらえるものでないという現実があります。
子どもとの関係はマニュアル通りにはいかないことだらけですが、いくつもの引き出しを持っていることはとても大事なことです。
今回の話は、そう言った使い方をしてもらうのが一番かな、と思います。心のどこかに留めておくと、いつか役に立つ時がくると思います。
さて、これで第7講が終わりました。
どのような感想をもたれましたか?
先ほども触れましたが、とにもかくにも、教師と子どもたちとの間に大切なのは、”信頼関係”です。
”信頼関係”は、普段の関わりの中から生まれます。
より多くの時間や経験をともにすることから生まれます。
今回のテーマである褒めたり、叱ったりする中でも生まれます。
『褒める』『叱る』教師にとって大切な力量だと思います。
今回も長い講義となりました。お疲れ様でした!!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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