みなさん、こんにちは。
のりそらです。
私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、
教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
さて、今回は、オルタナティブスクールについて考えたいと思います。
本日の内容:日本の次世代か?世界の教育シリーズ:オルタナティブスクール⑤(レッジョ・エミリア編)
『シリーズ:オルタナティブスクール⑤(レッジョ・エミリア編)』というテーマでお話をしていこうと思います。
現在取り上げているオルタナティブスクールですが、世界に目を向けると、さまざまな特徴のある教育がそこには含まれていて、簡単にでもそれらの教育の特徴を掴むことで新しい何かに気付けたり、発見できたりする方もいるのではないかと思い、シリーズ化して主な教育の取り組みをご紹介して一緒に学んでいけたらと考えています。
今回この話を聞くことで、今、世界の中で最も優れた幼児教育法として注目されているメソッドで、世界を代表するトップ企業「Google」や「Disney」の本社に併設された附属幼稚園にも導入されているレッジョ・エミリア教育について理解していただけるようになります。
では、早速本題に入っていきたいと思いますが、その前に、私の日々の活動では、 教員歴18年、小中特別支援学校と義務教育の全校種での教員経験を生かして、教育に関わるテーマを毎日1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
また、その延長線上に、『教育に選択肢を、人生に革命を』をモットーに、経営理念を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLの創造とした次世代の学校を作りたいと考えて活動しています。
これがまさにオルタナティブスクールになるわけです。
今回の話を聞いて、少しでも勉強になったとか、また一緒に考えたいと思っていただけた方は、これまでの内容もチェックしていただけると嬉しいです。
という感じで本題に入っていきますが、大事なことなので刷り込むべく復習をしておきましょう。
大前提としてオルタナティブスクールって何?ってところから確認です。
定義:オルタナティブスクールとは?
オルタナティブスクールとは、現在の公教育=一条校(学校教育法第一条に規定された学校)とは異なる、独自の教育理念・方針により運営されている学校の総称です。
総称なので、オルタナティブスクール全体に共通した教育観はありません。
各校それぞれに理念・特色があります。参考までに、学校教育法の第一条は、次のような内容です。
第一条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
学校教育法第一条
そのような定義を持つオルタナティブスクールの中には、海外の教育法を取り入れた学校も少なくなく、そこで取り入れられている主な教育法について、簡単にお話ししていこうシリーズの第5弾ということです。
はい、第5弾は、
今日の課題:レッジョ・エミリアとは?
”レッジョ・エミリア”です。
日本では、まだ認知度の低いレッジョ・エミリア教育ですが、世界的に見て注目度は高い教育法です。
レッジョ・エミリアは、北イタリア・ロマーニャ州にある人口17万人の小都市「レッジョ・エミリア」で、誕生しました。
1960年代頃からレッジョ・エミリア市で盛んになった教育方法で、教育家ローリス・マラグッツィ(1920年~1994年)が掲げた「100のことば」を教育理念に、「子どもの無限の可能性」を伸ばしていく独自のメソッドを実践しています。
ローリス・マラグッツィの「100のことば」には、過去の幼児教育は子どもに対して冷たく、また子どもの権利を奪うものであると書かれており、レッジョ・エミリア教育では、これと反対に「子どもの権利」「社会性」そして「時間」を尊重することが重要とされています。
前提:レッジョ・エミリアの考え方
繰り返しになりますが、レッジョエミリア教育では、「社会性」、「時間」、「権利」という3つのポイントに重点を置いて子供たちを教育しています。
社会性
レッジョ・エミリア教育では、4~5名のグループに分かれて「プロジェクト」と呼ばれる活動を行います。
「プロジェクト」では、保育士が指示を出すのではなく、子どもたちが互いに話し合って意見を出し合いながら、作業を進めていきます。
テーマの決定や、参加人数、「何を作るのか?」「どのように作るのか?」と言ったことを、子どもたちが対等の立場で決めていくことで、お互いの意見を尊重することや相違点を認めることなどを身につけます。
こうした作業を繰り返すことで、子どもたちが自然と社会性を身につけるように工夫されているのです。
時間
レッジョ・エミリア教育では、あらかじめ決められたカリキュラムや時間割が一切なく、子どもたちのペースで「プロジェクト」を進めていきます。
「急かされる」ことによって、子どもたちは、本来持っている創造力や、好奇心を発揮することができなくなります。
レッジョ・エミリア教育では、長期的に1つのテーマを掘り下げていくことで、子どもの時間感覚に合わせたゆとりある教育を行うようにしています。
権利
レッジョ・エミリア教育が世界で最も高い教育方法の基準と呼ばれる所以は、「子どもの権利」を尊重するという教育理念が徹底されているからです。
例えば、何かを試してみる権利、質問をする権利、間違う権利、答えを想像する権利、そして迷う権利や黙っている権利など、子どもが本来持っている特性をすべて受け入れる姿勢を打ち立てています。
一人ひとりが思い思いの行動をとってもよい「子どもは権利の主体」というのが、レッジョ・エミリア教育の理念です。
「社会性」「時間」「権利」の3つの教育理念を実現するために、レッジョ・エミリア教育では、ユニークな活動を行っています。以下で紹介していきます。
レッジョ・エミリアの特徴① プロジェクト
まず、特徴の1つ目は、『プロジェクト』です。
レッジョ・エミリア教育の大きな特徴は、「プロジェクト」と呼ばれる活動です。
これは、長ければ1年にも及ぶ長期間、一つのテーマを掘り下げるというものです。
テーマは子ども同士の話し合いによって決定され、工作や調べ活動が行われます。
子どもたちが議論しやすいよう、プロジェクトは4~5人の小グループで行われることが多いそうです。
また、グループには保育士だけでなく、保護者や地域住民といった大人も加わって、話し合いや見守りをします。
このプロジェクト活動において子どもたちは、「自律性」および「協同性」を成長させていくのだそうです。
レッジョ・エミリアの特徴② ドキュメンテーション
続いて、特徴の2つ目は、『ドキュメンテーション』です。
ドキュメンテーションも、レッジョ・エミリア教育を語るには欠かせないものです。
ドキュメンテーションは、子どもの行動をスタッフが寄り添いながら記録する活動のことです。
子どもがなぜ、そのことに興味を持ったのか?どんなところが楽しいのか?などを質問しながら、ビデオに録画したり、写真に収めたり、ノートに記録したりするのです。
子どもの思考や想像したことを、本人、そして保護者にも分かるように、スタッフが分かりやすくまとめます。
ドキュメンテーションは、パネルなどに展示されることもあり、子どもの成長を誰でも見ることができる仕組みです。
レッジョ・エミリアの特徴③ 環境教育
最後に、特徴の3つ目は、『環境教育』です。
レッジョ・エミリア教育では「独自の教育環境」を整備しています。
教室には壁がなく、アトリエ、お昼寝の部屋、キッチンなど様々なスペースが一つの大きな空間になるよう設計されています。
スタッフが子どもたちを常に見守る体制ができており、安全な環境でのびのびと過ごせるように工夫されています。
また本やパソコンなどの教具も同じ空間に揃えられており、誰でも遊んだり本を読んだりすることができるので、子どもたちは思い思いの時間を過ごせるのです。
また、人的環境として次のような2つの役割を持った教師がいます。
まず、「アトリエリスタ」という美術専門の教師です。
一つの園につき1人が配置され、プロジェクト活動やドキュメンテーションの作成に関わります。
次に、「ペダゴジスタ」という教育学専門家の存在も、レッジョ・エミリア教育における特徴のひとつです。
ペダゴジスタは複数の施設を担当しており、週に1回程度訪問する日には、保育者とアトリエリスタとで徹底的に話し合うそう。
教育に関してアドバイスをするほか、運営にも関わるそうです。
レッジョ・エミリア教育では、このような空間的・人的環境を整えています。
まとめ
さて、今回は、『日本の次世代か?世界の教育シリーズ:オルタナティブスクール⑤(レッジョ・エミリア編)』というテーマでお話させていただきました。
優れた幼児教育として、世界中の保護者から注目を浴びているレッジョ・エミリア教育。
その発祥となったイタリアの都市レッジョ・エミリアは1991年、米国の週刊誌『ニューズウィーク』により、幼児教育における国際的なロールモデルとして挙げられました。
前述の通り、アメリカのGoogleの社員が利用できる預かり保育にも、レッジョ・エミリア教育が取り入れられているそうで、やはりその教育的価値は高く評価されているようです。
日本では、まだあまり認知されていない教育ですが、今後さらに注目されていくであろう教育として頭に入れておきたい教育法です。
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