みなさん、こんにちは。
のりそらです。
私は、『教育に選択肢を、人生に革命を』を経営理念に、
教育目標を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCHOOLとした次世代の学校の運営をしています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
さて、今回は、通知表についてお話をさせていただきます。
本日の内容: 【教えて、のりそら先生】ほら来た!!ある公立小学校が通知表をやめた
題して『【教えて、のりそら先生】ほら来た!!ある公立小学校が通知表をやめた』といった内容でお届けします。
あまり知られてはいませんが、神奈川県のある公立小学校は、2020年度から通知表を廃止しました。
学期末や学年末になると、先生から通知表を受け取った子どもたちが一喜一憂するのは、昔から全国で一般的な風景ですよね。
廃止は公立小としては極めて異例の取り組みです。
なぜやめたのでしょうか?
成績が分からないと、なにかと困るのではないか?
そもそも通知表を出さなくてもいいのだろうか?
考えていきたいと思います。
今回このお話を聞くことで、通知表の意味について考えを深めることができます。
お子さんの教育について関心ををおもちの保護者の方々、志をもって子どもたちのために活動しているすべての方々、今何かに一生懸命に挑戦されている方々、教育に関心のあるすべての方々に向けてお話をしていきます。
着任まもない校長先生の問いかけがきっかけ
神奈川県茅ケ崎市立香川小学校。
各学年は5~6クラスあり、全校児童が千人を超える大規模校です。
国分一哉校長先生は、以前から通知表の在り方に疑問を持っていたといいます。
18年4月に着任後、教員にこう問題提起したといいます。
「良い評価が多かったら喜び、そうでなければ悲しむだけ。それでは意味がないのではないか」
通知表をやめることも視野に入れた問いかけに、教員たちは驚いたそう。
通知表は全国のほとんどの小中高校で配布されているものです。
その起源は明治時代にさかのぼると言われ、保護者に学習状況を伝えたり、子どもの学習意欲を高めたりすることが目的とされています。
そもそも通知表ってなくてもいいの?
実は、どの学校でも配布されている通知表は、国が形式を決めているわけではなく、校長の裁量で内容を変えることは可能なのです。
そして、実は作成義務もないのです。
つまり、廃止することも可能なのです。
名称も「通知表」「通信簿」「あゆみ」などとさまざまな種類がありますが決められているものではありません。
香川小で当時使われていた通知表は、1~2年生を2段階、3~6年生を3段階で評価するものでした。
2学期制のため、児童は年に2回、通知表を受け取っていました。
ずっと疑問に思っていた先生も
校長先生の問題提起を受け、教員同士の議論が始まりました。
すると、現行の通知表に問題があると考える教員は、少なくないことが分かってきたそうです。
ベテランの先生は、
「まるで偉い人のお告げみたいに、子どもをランク付けしてしまう。有害なんです。ずっと嫌だと思っていた」
と話しています。
別の先生は違和感を抱いていたといいます。
最高評価の項目が多ければ人格的にも優れ、真ん中の評価ばかりなら平凡な人という図式。
成績を付ける側にそんな意図がなくても、子どもも周囲もそんな風に受け取り、優越感や劣等感を抱いてしまうことになるのではないかと。
「できる」ことだけを評価するのは・・
勉強が得意な子もいれば、苦手な子もいます。
「できる」ことだけを評価するのでは、光が当たらない子どもも多いものです。
ある先生は、いろいろな観点から子どもをほめるようと心がけてきています。
「やりきったね」「優しく言えたね」「面白いね」。
普段からのそんな声かけが、たった半年に1回の通知表で台無しにされているように感じたそうです。
「通知表はインパクトが強すぎる。いくら『通知表には表せない力がある』とほめても、子どもの耳に入らなくなってしまう」と語ります。
通知表廃止に反対の声も
ただ、この先生のような廃止論は当初、大勢ではなかったそう。
他の先生からは、
「モチベーションになっている子どももいる」
「保護者は通知表がないとさみしいのでは」
という意見が出たそうです。
他に、こんな提案も出されたそうです。
「3年生以上も2段階評価で統一することで、子どもの間に序列を付ける副作用を和らげてはどうか」
意見が分かれる中、議論のまとめ役を担った先生は、
「何のために通知表を出すのか、という原点に戻って考えよう」
と説いたそうです。
何のために通知表か?
文部科学省は、学習評価の在り方について「評価のための評価」で終わらせず、子ども自身が学んだことの意義や価値を実感し、目標や課題をもって学習を進めていけるようにすることが大事だと指摘しています。
教員の指導の改善に役立てることも重要だとしています。
評価というと、通知表やテストのようなものばかりが頭に浮かびがちですが、毎日の授業で子どもの取り組みに声をかけるのも、提出物にコメントを付けるのも、評価の一つの形です。
子どもたちの学びを後押しする観点から考えたとき、通知表は望ましい評価の手段だろうかという問題意識を持っていたという先生もいます。
先生たちは繰り返し意見を交わしたそうです。
校長先生は極力、口を出さずに議論を見守ったといいます。
校長の権限を振りかざすだけでは、この学校に根付かないと考えていたからだと言います。
話し合いは2年間に及び、最終的に廃止が決まりました。
通知表廃止のその後
通知表の廃止は、教員の時間的な余裕も生んだといいます。
通知表を付けていた時は、評価の「根拠」をまとめたり、何度もチェックを繰り返したりして、何十時間もかけていました。
その時間がなくなった分、子どもたちの様子をよりきめ細かく見られるようになったといいます。
保護者との面談も充実させ、普段の子どもの姿を直接伝えるように心がけたそう。
学校が変わり始めた
通知表廃止から3回目の春。
「他人と比べる」という価値観から距離を取り、評価とは何か、評価はどうあるべきかを突き詰めた2年間を経て、香川小は確かに変わり始めたといいます。
校長先生はそう感じているといいます。
小学校だからできたことだ、という自覚はあるそうです。
例えば、公立中学校での通知表廃止は極めて難しいと言わざるを得ません。
高校入試は、中学校の成績が内申点として合否に影響するためです。
社会に出ても、競争や他人の評価と無縁で生きるのが容易でないことは重々承知です。
小学生だって、中学受験に踏み出せば塾などでシビアな競争にさらされるのが現実です。
それでも校長先生は、優劣を比べるのが当たり前といった今の社会を覆う価値観に染まりきる前に、それが全てではないと肌感覚で知っておくことは、決して無駄ではないと信じているといいます。
「小学校くらいは『できる』『できない』で比べなくてもいい。この挑戦が他校にも広がることを願っている」
と締めくくっています。
通知表に対してのかねてからの自論
私は、かねてから通知表について疑問をもっていました。
過去に記事にしていますので、詳しくはそちら(https://nextageschool.com/reportcard/#toc9)をご覧ください。
ここでは、数ある理由の中から今回の内容に関連するであろう一部の理由を抜粋してご紹介させていただきます。
通知表の不満③タイミング
通知表に対する3つ目の不満は、”タイミング”です。
通知票を渡すタイミングです。
当たり前のように通知表は終業式に渡されます。
終業式の次の日からは、長期休みです。
通知表を通して少なくとも個々に課題が見出されるわけですよね。
その課題を子どもたちはいつ克服するのでしょうか?
長期休みにしてね!
っていうのが実際だと思いますが、果たしてこれは学校が学習に対する責任をきちんと果たしていると言えるでしょうか?
『わからなかったところ、やっといてね!』ですよ。
丸投げ。
いやいや、そもそもわからなかったんですって!
それを自分でやっといてねって言われてできるようなら最初からできてますって!
そうじゃなくて、例えば今より1ヶ月早く通知表を渡し、学校が休みでない期間内にきちんと復習してできるようにする。
それでないとできないものはできないままですよね?
おかしなことを言っていますか?
至極当たり前のことを言っているのですが、伝わりますよね?
結果のみに一喜一憂し、生かされない通知表は不要です!!
通知表の不満④伝わらない
通知表に対する4つ目の不満は、”伝わらない”です。
通知票を見ただけでは、何を理解できていて、何を理解できていないのかが全く理解できないということです。
国語の関心・意欲・態度『3』これを見て何をどう改善すれば良いかわかりますか?
せっかく伝えるなら、見て努力すべき点がきちんとわかるものであって欲しいですよね。
小学校も中学校も評価が抽象的すぎて、何ができていて、何ができていないのかがサッパリわかりません。
これに意味がありますか?
ないとしか言いようがありません。
もうこういうものだとほとんどの人が思考停止してますよね?
でも、わからなくないですか?
と、いうことは意味がなくないですか?
よって不要です!!
過去の成功法則は、過去のものです。
まとめ
さて、今回は、『【教えて、のりそら先生】ほら来た!!ある公立小学校が通知表をやめた』というお話をさせていただきました。
通知表、学校から出されるものですから、意味をもち、子どもたちの成長の一助とならなければ意味がありません。
単純になくなればいいというわけではありません。
通知表について、そのあり方を各学校で再考するのが良いと思います。
私のりそら、日本の、世界の学校の未来がより良いものとなるようこれからも発信していきます。
加えて、これまでのように先生方の日頃の頑張りを世の中に伝えていきたいと思います。
先生方は、どうか日本の子どもたちのために、目の前の子どもたちのために、真っ直ぐにエネルギーをお使いください。
私のできることはさせていただきます!!
のりそらからは以上です!!
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